東北への誘い

22 May
東京駅から新幹線で約2時間。仙台駅で降りる。私にとっては、何ヵ月振りかの帰省だ。東京よりも350km北に位置するこの街は、暦の上では春になる3月も、空気はまだ冷たく冬のにおいがする。

在来線に乗り換えるため、駅のホームで電車を待っている間、私は周りの人たちの会話を何気なく聞いていた。「お晩です(=こんばんは)」という挨拶が聞こえた時、私は「帰ってきたなぁ」と、実感した。

 「お晩です」は、宮城県の方言だ。東北と聞いて、方言を思い浮かべる人は多いだろうが、東北弁と言っても、東北全土で同じ言葉を話しているわけではない。東北地方は6つの県から成り立っており、宮城出身の私には青森や岩手など、よその県の言葉は分からないことが多い。同じ県内であっても言葉やイントネーションが異なることは珍しくない。ただ、やはり東北全体に共通していることはある、と思う。いずれの地域も冬が長く寒いため、あまり口を開けずにぼそぼそ話し、言葉が短く省略されたような形になることが多いという点だ。例えば、こんな具合である。

A:「く?」(=食べる?)
B:「く。」(=食べる。)
A:「け。」(=食べろ。)

気候は人柄にも影響するのだろうか。長い冬の生活や寒さにじっと耐える東北の人は、一般的に「我慢強い」とか、「粘り強い」というイメージがあるようだ。また、世界遺産の白神山地に代表される、豊かな自然のイメージからか、東北の人は「純朴」といったイメージもある(純朴というより口下手?)。実際に東北を旅して地元の人とふれあうと心温まる経験をする人も多い。
東北と聞いて、雪を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、実は冬の景色も一様ではない。東北地方の中央には、南北にわたって奥羽山脈がのびている。この山脈の西側、つまり日本海側は一般的なイメージ通り、雪の多い地帯となるが、山脈の東の太平洋側は、あまり雪が降らない。だからといって温かいかというとそうではなく、十分に寒い。
そんな東北地方だが、そこは骨の芯まで温まる温泉が多い地域でもある。雪見風呂はもちろん、新緑や美しい紅葉を目で味わいながら入る温泉は格別だ。また、そこは日本でも有数の米の産地でもある。当然、日本酒が美味しい。東北の美酒を飲みながらの露天風呂…!東北は近頃、大人向けの観光地として注目されつつある地方なのだ。既に体験済みのあなたは東北通(たぶん)。まだのあなた、ぜひ一度東北さ遊びに来てけさいん(=東北へ遊びに来て下さい)。
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